「いいよ、答えなくて」

「え、」


でも……。

瀬戸はそっとあたしの髪を撫でる。

その優しい仕草に胸が思わずドキッとする。


「答える代わりにさ……一個約束して」

「約束……?」


聞き返すあたしに瀬戸は優しく微笑むと、ゆっくりと口を開く。


「後夜祭、空けといて」

「え?」


後夜祭って……文化祭の?

何で急に?

キョトンとするあたし。

そんなあたしを見てクスクス笑う瀬戸。


「あー、その顔最高。
……空けといてね、絶対。
約束」

「いいけど……何で……」

「んー、理由はヒミツ」


楽しみにしててね、と瀬戸は笑う。

意味は分からなかったけど、とりあえず頷く。


そしたら瀬戸は嬉しそうにまた笑った。