「平野はさ、水田クンのことはどう思ってるの？」
「どうって？」
「男として」
少しだけ真剣な顔で瀬戸があたしにそう尋ねてくる。
水谷君……男として……。
「……水谷君のことは同級生以上には見れないよ」
だから断った。
そんなの、今更なのに。
「ふーん」
瀬戸はじっとあたしを見つめる。
そして……
「じゃあ……俺は？」
「え……」
「俺は……今のところ、水田クンと一緒？
それとも、同級生よりちょっと上にはいる？」
瀬戸の二つの目がじっとあたしを捉える。
その綺麗な瞳に見つめられると、何だか呼吸が少し苦しくなる感覚がする。
ちょっと上どころじゃない。
あたしは瀬戸のことが……。
そう口にしたいのに、言葉として出てこない。
パクパクと口だけは動くのに、肝心な言葉は……出てこない。
「あ……えっと……」
なかなか答えを言わないこんなあたしを見て、瀬戸は小さく笑った。
