「……結衣が瀬戸に付きまとっていた……」


……あかりさん、その付きまとっていた女の子と瀬戸との間にあたしの話題が出てたって言ってた。

それであたしのことを知ったって。

結衣と瀬戸との間であたしの話題……?


「平野?」

「……広里君」

「何?」


はっと頭の中にある可能性が浮かんで、広里君に声をかける。


「……あたし、結衣のラブレターを渡しに行った時に瀬戸に告白されたの」

「知ってる。涼に聞いた」

「……結衣は瀬戸があたしのことが好きだって……知ってたのかな」


広里君は少し目を見開き、あたしの顔を見る。

二人で目を合わせながら少し固まる。


「……涼、相当分かりやすいからな。
気づいてた可能性はある」


それにあかりさんの言葉……。

もしその時の会話が瀬戸のあたしに対する気持ちの話だったら……。

広里君は小さく息を吐いた。


「……全部知った上で平野に手紙を渡させたのかもな。
いくら涼でも好きな人から別の人のラブレター渡されたらショック受けるだろ」


……確証なんてない。

ないけど、もしそうなら……。


「とことん腐った性根だな」


そう吐き捨てながら飲み終わったいちごオレのパックを潰す広里君。