「何、その曖昧な返事」

「……何だろ……うん。
あたし、やっと素直になったと言いますか……」

「は?
……告白でもしたの?」

「ちょっ……まさか!まだ!」


あたしが大きな声を出して反論すれば、広里君はクスクス笑う。

何だか広里君には全て見透かされてるような気がする……。


「まだ、ってことはいつかはするんだ?」

「……していいのかな」

「告白するのに誰かの許可がいるわけ?」


ズーッといちごオレを吸い込む広里君。

甘い匂いが少し漂ってくる。


「少なくとも俺は高橋が諦めてくれれば何でもいいよ」

「でもあたしが告白したからって諦めるとは……」

「だって平野が告白したら、付き合うの確定じゃん」

「え、」

「何?
あんなに平野大好きアピールしといて涼が振るとでも思ってんの?」


それは……、と言葉に詰まる。


「さすがに付き合い始めたらあの面の皮が厚い女も諦めるでしょ」


あたしは珍しい広里君の暴言にちょっとだけ目を見張る。