瀬戸に引かれてやってきたのは近くの小さな公園だった。
ベンチに座るように言われ、あたしは素直にそれに従う。
瀬戸もあたしの隣にゆっくりと腰を下ろす。
「落ち着いた?」
涙の収まったあたしを見て、瀬戸が優しく尋ねてくる。
小さく頷くあたしを見て安心したように笑った。
「……ごめん」
「謝らなくていいよ。
落ち着いたんなら、よかった」
あたしに向けられる、瀬戸の優しい笑み。
それを見るだけでなぜかまた涙が出そうになる。
「……何か瀬戸が優しい」
「そりゃー、目の前に泣いてる女の子がいればね。
誰だって優しくなりますよ」
当然でしょ?と言いたげな表情をして笑う。
「ま、泣き止んだら即帰るけどねー。
面倒事に巻き込まれるの勘弁だし」
あはは、と呑気に笑う瀬戸。
……それでいいのか、とあたしが思っていると不意に瀬戸が笑いを止めて真剣な顔でこちらを見た。

