「だってさー、夏休み中つぐみちゃんに会えないじゃん?
だからこれでつぐみちゃんを補充しようかなーと」

「なっ……」


補充って……。

かーっと顔が熱くなった気がする。

でもそれは暑さのせいだと自分に言い聞かせ、手でパタパタと扇ぐ。


「つぐみちゃんが本気で嫌っていうんならやめるけど」

「嫌っていうか……。
そんなの、勘違いされるじゃん」

「勘違い?」

「付き合ってるって……」


実際、あかりさんも勘違いしてたみたいだし……。


そう思って瀬戸の顔を見上げて……あたしは言葉に詰まった。

……瀬戸が少しだけ……悲しそうな表情になっていたから。


「あ…………」


……違う。

そんな顔させたかったわけじゃない……。


「ははっ……まー、確かにそうだよな。
普通勘違いするわなー」


無理して作ったような笑顔。

……そんな瀬戸を見て胸が痛む。


……あたしは何がしたいの?

あたしは瀬戸をどうしたいの?