恐る恐るドアの方に目を向ける。

あたしとあかりさんの視線が同時にそこへ注がれる。


「あれ、姉ちゃん帰ってたの?」


……聞き覚えのある声。

見覚えのある姿……。


「誰か来て…………って……え?」


瀬戸はあたしの姿を視界に捉えると……ポカーンとした顔のまま固まった。

……あたしも瀬戸の方を見たまま固まる。


ウソ……まさか。

いや、瀬戸の家だからいてもおかしくないんだけど。

むしろ、あたしがここにいることの方がおかしいんだけれども。


二人して目を合わせたまま間抜けな顔で硬直する。


すると、あたしの後ろからあかりさんが声をかける。


「アンタ、ヒロ君と遊びにいってたんじゃないの?」

「ヒロ、風邪引いたっつってドタキャンになったんだよ。
てか……何でつぐみちゃん……?」


瀬戸はまだ信じられないものを見るような目であたしを見る。


「何でって。
あたしが連れてきたから。
これからガールズトークするのよー。
ねー?」


ニコニコしながらあかりさんは瀬戸にそう言う。

瀬戸は困惑したような顔であかりさんを見る。