「ユキどうした?どこにいるんだ?」 月明かりの中ユキの姿が見えない。 焦りが背中に冷たい汗になる。 「お兄ちゃん…痛いよぉ~」 窪みにしゃがむユキを見つけた。 「大丈夫か?」 「うん。転んじゃったみたい。」 「何かにつまづいたんだ。」 「何かって…ユキ!見るな!」 ユキの両目を掌て隠し引き寄せる。 「お兄ちゃん?何?どうしたの?」 不思議そうな声からは場違いな光景が足元に広がっていた。