それからも何回もけんかしたけど、私は絶対にリスカはしなかった。またアヤトが悲しむって知っていたから…。もう悲しませたくないって思ったから…

私の親友であるハナとはアヤトのこととかハナの彼氏のリュウのこととか色々な事を語り合える友達だった。そして、ハナはアヤトと結構仲良しで何でも話していたらしい。
そして、ある日、ハナから残酷なことを聞いてしまうことになった。

「りこ…アヤトとどう??」
「うん!!ラブラブです!!」
「本当にそう言える??」
「うん!! どうして??」
「アヤトがりこのことで今までどれだけ悩んできてるか知ってる??」
「え…?」
「知ってる??アヤトねぇりこがリスカする度に俺のせいだって自分もリスカしてたんだよ」
「ハナ…嘘でしょ??嘘でしょ?」
私は自然に涙が溢れてきた。
「嘘と思うなら今度手首見てごらんよ!!」
「どうして…どうしてぇ…」

そして、私はアヤトと放課後に一緒に帰っていた。その時、私は思い切って言ってみた。

「アヤト…すごく言いにくい事だけど」
「何??うん??」
「手首見せて」
「何で??」
「隠さないで」
「何を??」
「いいから見せてよ」

そして私はアヤトの手首を見た。何回もリスカしたのだろう…。同じところばかりに赤い痛々しい無残な傷があった。

「アヤト…別れたほうがいいのかな」
「何で??」
「この前、ハナに聞いたんだ。アヤトがりこがリスカする度に悩んで自分でもリスカしてるって…。」
「ごめんねぇ…ごめん…」

それから私はアヤトと連絡を取らないままが続いていた。自分でもこんなにアヤトを傷つけているとは思ってもいなかったから…。