私はすぐにミズキに電話をしてみた。

プルルルル…プルルルル♫♪

「もしもし??」
「おぉ…久しぶり。大丈夫かぁ??」心配してくれていた。ありがとう。ミズキ。
「うん…それより、今日は聞きたいことがあって電話したんだ」
「あぁ…アヤトの事か??」
「うん」
「アヤトって借金してたの??」言いにくかったけど言わなきゃダメだった…。
「あぁ…」
「何で早く教えてくれなかったの!」つい、当たってしまう…。
「実はさぁ…アヤトに口止めされててさぁ…」
「口止め…って??」
「『どうしても赤ちゃんを産んで欲しい…でも、借金でもしないと命を守れねぇ。でも、りこを心配させたくねぇから言わないでくれ』って…言われててさぁ…」
「そうだったの??」自然に一つの雫が頬を伝う。
「おぉ…でも、金はまだ後でもいいから!今は、子育てを頑張れ!」ミズキ…ありがとう。本当にありがとう。ミズキの優しさがすぐに伝わってきた。
「うん…ありがとう」
「でも、必ずお金は早く返すから!!」
「あんまり無理すんなよ?俺は大丈夫だから」
「本当にありがとう」
「おう…じゃあなぁ」
「うん、バイバイ」

これから先、私にどんな試練が待っていようと…どんな辛いことが待っていようと私はりあを守り続ける。子育てを必死に頑張る。

神様…どうか、どうか私たちを暖かく見守っていてください。

そして、アヤト…どうか、どうか私達の事を忘れないでください。これから先、ずっと…ずっと忘れないでください。