君が思い出を売った日

キッチンにたどり着くと、涼はすぐにエプロンをつけて準備をし始めた。



私は放置。



だって、料理出来ないし。



仕方なく、自分の世界に入った涼を置いて、ダイニングの席についた。



「瀬那さ、誕生日クリスマスイヴだったよな。一週間後か」 



「うん」



涼の何か計画を練る声が聞こえてくる。



それって普通、秘密にして計画するものじゃないの?



それを言うと、きっと涼は



「秘密にしたって、俺が何かすることわかってんだろ?」



って言うに決まっているし。



言わないでおこう。



鼻歌を歌いだした涼を見ていてもしょうがないから、窓から外を見る。



「、、、何?なんか見えんの?」



「うん、夜空が見える」



「ハハハ、、、バカ」 


 
涼は湯気のたったお皿を片手に笑っている。