君が思い出を売った日

「泣くほど喜んでくれて、私は嬉しいんだよ?」


涼は何度も頷いて、泣き笑いをした。


「…開けていいか?」


「うん!」


箱の重みが、私の手から涼へ移る。


涼が震える手で、慎重に慎重に箱を開けて、中からネックレスを取り出した。


ネックレスは太陽の光を浴びて、輝いている。


私は思わず、つぶやいた。


「…永遠の誓い」


「え?」


「このネックレスの意味だよ。私、涼とずっと、ずーっと、一緒にいたいの!そのために、私、絶対に涼の隣から、動かないから!誓うから!」


何故か、視界が滲んで。


声が詰まって。


冷たいものが頬を伝わっていった。