哀しみの向こう

「あんた どこ行ってたの!!」
突然の問い詰めに 私は 「ちょっとその辺に」 と答えた。

「心配したのよ!!
何も言わずに 出て行くんだから!!」
祖母が言う。


家に入れてくれなかったくせに よく言うよ ぶつぶつと私は 文句を言った。


私の文句に 腹を立てたのか 祖父が手をあげた。


私は とっさに目を閉じて 「ごめんなさい」と 言いそうになった時だった。