哀しみの向こう

「あなたには 生きててほしいから。
お母さんの たったひとりだけの あなたなのよ」
母が 泣きそうな声で言った。


「お母さんが居なきゃ 私は生きれない… お母さんと ずっと一緒に 居たいの!!」 私は 甘えていた。


「お母さんが あなたが幸せになれるように 必ず導くから 生きていくこと 諦めないで。」


「お母さんは 裏切らない。
だって あなたの母親よ。
生まれてきてくれたあなたを 絶対に 不幸になんかさせないわ。」


「お母さんのこと 信じてくれない?
お母さんは 絶対に あなたとの約束を 破らないわ」


「あなたの幸せを 心から思っているのよ…。」


私は 「幸せにしてくれるの?」 母に尋ねた。


「もちろんよ、あなたを幸せにする。 約束は絶対よ。」


母の言葉に 私は何も言えなかった。