桜が散る。 もうすぐ春も終わる。 「花見には少し遅いんじゃないか?」 桜木を見上げていれば、いつの間にか隣に立つ影。 「そうですか?僕は、満開に咲く桜より散っていく姿が好きなんですがね。」 「お前ってほんとねじ曲がってるよな。」 呆れた様子で酒瓶を呷り、桜木の元に腰を下ろす。 「お前も座れよ。こっちの方が綺麗に見えるぜ。」 言われ、彼の横に腰を下ろす。