ケイはとことん話した。
そしてあたしはとことん聞いてあげた。


楽しい会話。

ほかの人にはそう見えるんだろうな…


でもね、楽しくなんかない。
楽しくないわけでもない。


ケイの笑顔を見れるのは、幸せ。
でも話の内容は、耳をふさぎたくなるくらい、あたしにとっては残酷なもので。

作り笑いがだんだんうまくなってる気がして、自分に嫌気がさす。


―――キーンコーンカーンコーン

授業の開始を知らせるチャイムが学校中に鳴り響く。


「あっ!やべ!もどらねぇと!!」


焦っているケイを見て、あたしは“かわいいな”なんて思っちゃう。


帰り際、

「話聞いてくれて、サンキューな!!やっぱお前って、最高の友達だよ!!!」


笑顔でそう言うケイ。



ケイに悪気はないんだろうね……

でもね、
今のあたしにそれを言わないで。


“ただの友達”


そう…思い知らされるだけだから――…