“がんばってね”

そんなの、これっぽっちも思ってない。



やめて。
告白しないで。
あたしを好きになって。


何度思っても叶うことのない願い。
それでもあたしの脳と心はどこかでまだ祈ってる。



ケイを忘れる、いい機会なのかもしれない。

たとえケイが香織にフられたとしても、ケイの想いがあたしに向くことはないと思うんだ。


だから――…
きっと、あきらめたほうがいい。
こんな気持ち、忘れたほうがいい。



忘れようと思う気持ちと、忘れたくないという気持ちが半分ずつ、あたしの心を占領する。

“忘れたくない”ということは、まだどこかで期待してるのかもしれない。

『ケイがあたしを好きになる日が来るかもしれない』
――って。


そう思うと、笑えてくる。
ここまできて、まだ期待しているじぶんに。