「俺らは、この辺のトップ。
や、多分この地域全体のトップだ。
それで、黒瀧は俺らの次に強い族。
それに、あいつらは銃とか薬とかを
使ってるから。
だから、安心できねぇんだ。」
夏目の目も鋭くなった。
「夏目は、やらなくてもいいの????」
きっと幹部にいるくらいだから
強いんじゃないの????夏目は。
なのに、私とここで籠ってるだけ。
「あぁ、今回は仕方ねぇんだ。
それに、この戦いは死ぬ確率が高い。」
え……
誰かが死んじゃうの????
「大丈夫。確率が高いってだけだから。
ちゃんとみんな鍛えてる。
だから泣くな……。」
私泣いてた????
泣いちゃだめだ。
私は泣かない。
「フッ落ち着いたな。
あ、それで俺が出ない訳は
もし、この死ぬ確率が高い戦いで
俺が死んだとする。
そしたら……
心乃羽が1人になっちゃうんだよ……。
俺んち、親が2人とも死んでるから……。
だから。俺が死んじゃダメなんだよ。
皐月はそれを分かってて、
大事な蓮南を守る為に
そこそこ強い俺を選ぶフリして、
心乃羽のことも考えてくれてんだ。
本当に感謝だよ……。」
皐月は、優しいもんね。
こんなに誰かの為に
考えられるのは皐月だけだ。きっと

