父さんと母さんの元でしばらく泣いたあと
部屋を移動した。
「……すまなかったな。助けてやれなくて。」
「……。」
「お前の父さんと母さんは、車に乗っているとき。直進しようとして、暴走したトラックが前から突っ込んできて……。」
「……。」
僕は、そのあとの話はぜんぜん聞いていなかった。
僕は真実を受け入れたくなかった。
だから、僕は……
「おい、皐月。しっかり聞け。」
「……。」
「ちゃんと聞け!!」
「……。」
ガシッ
「ちゃんと聞け!!前を見ろ!!お前はまだ1人じゃないだろう!!お前の父さんと母さんは死んだ!!でも、風雪がいるだろう!!……だがなんだ!!風雪は家族じゃないと言うのか!?」
「……。」
すごい勢いで睨み付けてくる。
「兄ちゃ??」
「風雪……。ごめんね……。僕ら、頑張ろう。ね??」
「うん。」

