「ごめん、少しこのままでいさせて……。」 そういって首もとに顔を埋める皐月。 動こうにも動けない。 しばらくすると、 なんだかすすり泣く声が聞こえてきた。 やっぱり。なにかあったんだ。 でも、なにも聞けない。 私が聞いてもなにもできない。 なにも、できないんだ……。 皐月からしゃべってくるのを 待つしかないんだ。 「皐月。大丈夫。きっと、大丈夫だからね。」 「ありがっ……とぅ……。」