レモンな初恋






 一気に寂しさが込み上げた。



 明日も会える。

 しかも、昼休みに。



 なのに、悲しくて仕方ない。



 ……恋ってこんなんだったんだ。





 湊のことも、どうしようか迷う。


 「ごめんなさい」じゃ、湊を傷つけるし。

 もしかしたら一生湊と仲良くできないかもしれない。


 ワガママだけど、幼なじみを失くすのは嫌だもん。



 でも、「うん」じゃ、自分の気持ちに嘘をつくことになる。


 連也くんが好きなあたしにも。

 もちろん、優しさだけで付き合えないもん。



 とりあえず、きちんと謝らないと。


 湊を傷つけたこと、湊の想いに気付かなかったこと。



 明日、言えたらいいな。




「……寝よっかなー」



 あたしはお父さんの夜ご飯をサランラップで包んで、「食べてね」という短い文章の置手紙をして、自分の部屋へと行く。




 そういえば、お父さんとは仕事の都合とかで何日も会ってないな。