湊が、怖かった。 どうしても、好きにはなれないの。 幼なじみ以上には、ならないの。 キス……された。 口を、ガシガシと拭いた。 あたしは連也くんとは違い、本当に嫌だった。 「……あ、れ?」 じゃあ、じゃあ。 連也くんは嫌じゃなかったの? あれ、なんで? 湊に押し倒されたら怖かった。 キスされるのは嫌だった。 なのに、連也くんは…… 不純だと思うんだけど。 「嫌じゃ、ないんだよ」 泣きながら思った。 嫌じゃないの。 逆に、嬉しかったりする。