レモンな初恋



「……ったく。知らねぇからな、俺。」


 俯きながら呟くように言った、坂野くん。


 意味が分からないあたしは、思っていることを言った。


「これからは、仲良くしようねー」


 けど、それを聞いた坂野くんは、あたしをバンと、押した。


「きゃっ」


 寝転がるような形になるあたし。


 「なにするの」と言おうとしたけど、上に跨るように乗ってきた坂野くんに驚いて、言葉が出なかった。



 手首をがっしりと掴まれて、動けない。


 驚きすぎて、坂野くんを見ながら目をパチパチするけど、坂野くんはムスッとしているだけだ。



 えっ……なになに!?


 なんなのこれ、漫画みたいな……


 ドキドキする胸と、熱くなる顔。


 か、カッコよすぎる……!


「お前、俺と仲良くできると思ってんの?」


「え……うん」


 だって、たくさん喋ったし……


 それだけじゃ、ダメなのかな?


「……バカじゃねーの。俺がなんで、地味男をしてるか教えてやるよ」


 少し怖いドキドキを感じながら、次の言葉を待った。


 坂野くんは、そっとあたしの耳に顔を近づけると、囁くようにこう言った。


「女が嫌いだから。」


 そして、またこう言った。


「河原であったこと、内緒にしとけよ」


 なんでかな……?


 そう思った時。