レモンな初恋





 ……ああ、そっか。



「もしかして、ラインかなんかしてんの?」


 それらしき音は聞こえないんだけど。



「……バカ。」


「はあ?」



 さっきからバカばっかり言って。


「あのな、俺が好きな奴は……」



 そう言って、少し黙った湊は。



 あたしの肩を押した。




「わぁ!」



 体勢を崩してしまうあたし。



「あ、あの」



 なにこの状況。



 連也くん以外に初めてされた。


 連也くんとは違い、嫌なドキドキが胸を支配した。


「どう?俺にはドキドキする?」


「う、うん……」


 そう言うと、湊は少し笑って。



「俺は、架樹が好き。もうずっと前から」