レモンな初恋




 なに言ってんだと思いながら言う。



「あたしね、昨日。その人に……告られちゃって」



「……はぁ!?」



 湊は驚いたように声を荒げた。


 けれど、それに驚いたあたしを見ると、黙って、どうぞと手で表した。



 なんか、「なんでお前が」って言われてるみたいなんだけど。


 そう思ってムカッとしたけど、話を続けた。



「……で、あたしはその人のこと……好きなのか分かんないの」


「……どういうこと?」



「だって、一緒にいるとドキドキしちゃうし、もっと近づきたいって思うし。……初めてなんだ、この気持ち」



 そう言うと、湊はマジかーと言って頭を抱えた。



「……どうしたの?」


「いや、ついに架樹も恋かって思って」


「……やっぱり恋なのかな」


「いや、まだ分かんないよ。架樹がその内、自然に分かるようになるんだから。自分の気持ちを。」



 湊の言葉はそっと胸に入ってきて、焦らなくていいんだなって思えた。



「……そうだよね、ありがと」


「ま、もしかしたら新しい相手が出てくるかもしれないからね」