「おう!覚えてたんだ」
「まあ、一応」
幼なじみだしね?
「いただきます」
そう言って湊はクッキーに手を伸ばした。
「おおっ!変わんねーな、この味。うまいうまい!」
そう言って、湊はクッキーをもう一枚食べた。
美味しいって言ってもらえるのってすごく嬉しい。
こうやって笑顔で言える湊がモテるのも、分かる気がする。
きっと湊がモテるのは、こういう性格もあるのだろう。
ま、モテてるのか分かんないけどね。
あたしは笑顔で湊を見ながら、ミルクティーを一口飲んだ。
「……あっ、架樹の悩み事聞きに来たんだった。」
「あー、そうだったね。なんか久しぶりすぎてちょっと忘れてた。」
「なー、架樹ん家久しぶりだもん」
湊もミルクティーを一口飲むと、机にカップを置いた。
つられるようにして、あたしも机にカップを置いた。
「で?どうしたんだよ。珍しいじゃん、お前がこんなにおかしいのって」
湊があたしの方を向いて、真剣な目で見て言う。
けれど、すぐに「いつもおかしいか」と茶化した。


