レモンな初恋





 だからリビングで話しても大丈夫なのだ。



 キッチンから、オレンジの長いソファに座る湊に話しかける。



「飲み物何がいい?」


「んー、架樹お手製のミルクティーで」


「OK」



 すぐにカップを出して、ミルクティーを二つ作った。


 といっても、牛乳に砂糖を入れて、レンジでチンッなんだけど。



 あとは、チョコ味のクッキーを出した。



「はい、どうぞ」



 湊にミルクティーを渡して、自分も湊の隣に座った。



「サンキュッ!…あ、これって架樹が……?」



 湊は、机に置いてあるクッキーを指さした。



「うん、そうだよ。味に自信はないけど、今日焼いたから」



 あたしは意外だとよく言われるが、料理が大好き。


 それは、お母さんの代わりをしてるからってのもあるけど、まずこういうのが楽しいから。



 そして、特にクッキーは得意。



 ありがたいことに、湊はこのクッキーのファンなのだ。


「やったー!俺のために?」


「うん、だって好きでしょ?」