レモンな初恋




 いつも、いつも。

 なんだかんだ言ってもあたしを見ててくれる。


 口では言えないんだけど……優しいなって思うんだ。



「……聞いてくれる?」


「おう!」


「じゃあ、今日の7時頃いい?」


「あー、分かった。架樹ん家行くわ」




 そうこうしている内に、学校に着いていた。



 湊には言える気がする。


 ま、男の子なんだしね!





 自分じゃどうしようもない悩みってあるし。

 自分の気持ちが分からないこともある。


 そういう時、傷ついたり恥ずかしいなって思っても、周りにきちんとSOSを言わないといけない。



 だって、そうしないと悩んだまま、暗いまま。



 誰かが言ってたんだよね。



『自分の気持ちを、悩みを黙っていると、そういうことを言えなくなってしまう。言い方が分からなくなってしまう。自分を失ってしまったりもする。だから私は、自分勝手でもきちんと周りに伝えたい。それは、自分のためでもあるし、自分のことを大切に思ってくれてる人のためでもあるから。』



 んー……誰だっけ?


 でも、なんか感動したんだよね。