レモンな初恋



 けど、そのせいであたしのレモンな初恋が、始まってしまうことになった。



「……お前、なんなの」


 ムッとした顔で、あたしを睨む坂野くん。


 や、ばい……


「ご、ごめんっ!」



 パッと、あたしは手を坂野くんの頭から離した。



 なにやってんの、あたし……



「お前、フザけてんの?」


「え、いえ……」


 そんなつもりは……ない。


 ただ、坂野くんの顔が、悲しそうに見えて。


 ……あの時のお母さんみたいで。


 あ、思い出しちゃダメ。


 泣いちゃいそう……


 …………と。


「そういうことするとか、バカじゃねーの」


「んなっ!?そこまで言うことないじゃん!!」


 ちょっと、ムカッとした。

 でも……

 なんか、坂野くんとこんなに喋るとか、初めてかも。


 んー……まだ〔=〕は出来ないけど、なんかいいな、こんなの。


「フフッ、楽しい。」