レモンな初恋




 後ろには、スクールバッグをリュックみたいに背負った湊がいた。



 スクールバッグ、ちぎれないかなぁ……


 って、そうじゃなくて!




「なんだ、湊が変質者かー」



 「よぅ!」なんて手を振る湊に言った。



「誰がだ。ってか、俺が言ったんだけど」


 そう言いながら、湊があたしの隣に並んだ。



 連也くんのことを悩む暇がなくなり、ほっとする。


 あたしは、再び歩き出す。



「あー、なるほど。湊は自分がそういう人間だって分かってたのか」


「どういう意味だ、あぁ?」


「そのままの」


「お前だろ、変質者は」


「なんでー!?」


「いや、なんか意味分かんない歌歌ってるし、叫びだすし。」



 あたしを引くような目で見ながら湊は言う。



「……現実逃避だよ」


「だろうな」



 ってか、湊はどこから見てたんだ!?