レモンな初恋





 チラッと横を見ると、連也くんのシャツを肘まで捲った腕。

 右も左も。


 上には、連也くんの体があたしを覆う形になっていた。



 こ、これは………






 連也くんに、押し倒されてる?





「あ、わわ……」



 バカみたいな声を出してしまったが、仕方ないだろう。


 押し倒されるなんて、慣れてるわけがない。

 覚えているとしたら、連也くんにキスされた時くらいだ。




 慌てるあたしとは違い、冷静そうな顔であたしを見る連也くん。



「……あのさ、俺、誰が好きか分かってる?」


「えっ……」



 あたしでしょ?なんて言えない。


 ハズい、恥ずかしすぎる。



「……はぁー、分かってないんだ?体で教えてやろうか?」



 連也くんは少し意地悪な口調でそう言うと、ゆっくりと顔を近づけてきた。



「……っ!わ、分かってます!分かってるよー!」