レモンな初恋




 ……っていうより、あたしにもたれ掛かっているの、どうにかならないのか?




「あの、告白しましたよね?」


「はい」


「じゃあなんで緊張感がないの?」


「どういうこと?」



 あたしは緊張しすぎてて心臓がドクドクしてて。


 こんな体勢自体、緊張するというのに。


 しかも、今連也くんのことで悩んでるのに。


 こんな、こんな……



「連也くんは、こんな体勢でドキドキしないの?」


「俺的には、今の言葉の方がドキドキするんだけど」



 ……それこそ、意味が分からない。


 普通のことを言ったまでなんだけど。



「いや、意味分かんないよ。こっちはね、こんな至近距離で告白とか、もたれ掛かられたりしてドキド……」



 〝ドキドキしておかしくなりそうなんだよ〟って言おうとしたら、急に視界がくるっと回った。


 目に映ったのは、大きな影と、連也くんの切なげな顔と、小さい青空だけ。



「……えと」



 この状況を理解しようか。