レモンな初恋




「め、珍しいね」


「なにが?」



「あたしの名前、大体は架樹とか、下の名前で呼ばれるし。宮下なんて隣の地味男ぐら……」


 そうだ。


 隣の地味男、坂野連也(さかのれんや)と似た声。



 呼び方も、同じ。


 けど、顔が……



「地味男?」



 不思議そうに聞く、彼。



「えっ、いや、なんでもないよ!」


 慌てて首を振る。


「ってか、名前は!?あたし、知らなくて……」



 ……あ。



 慌てすぎて、言っちゃいけないコト言ってしまった。



「あ、えと……」



 やばっ……どうしよう。


 彼はあたしをじっと見つめた後、制服から名札を外した。



「ほい。」


 渡された名札を見て、驚く。


「え、嘘……」


「悪かったな、〝地味男〟で。」


 ムッとした顔で、地味男を強調しながら言う彼。


 名札には、こう書かれてあった。


「坂野連也ーーっ!?」