レモンな初恋





「ゆ、佑香……朝からなにを」



「ちょい、来て!」



 クールだと言われていて、そこがモテてる佑香のこんな姿は初めてだ。


 戸惑いながらも、佑香に腕を引かれていった。







 着いたのは、草が生い茂る裏庭。



「……なん、ですか」


 はぁはぁと、息を途切れさせて言った。



 陸上部の佑香に付いて行けるわけがなく、転びそうに何度もなった。



「…架樹、彼氏いたの?」



 佑香も佑香で疲れていた。



「はあ!?んなのいるわけないし!」



 何を言ってんだ。



 この、キスもしたこと………あるけど!


 初恋とやらも経験してないあたしに、彼氏?

 はははっ、ナイナイ(泣)



「え、だって土曜日にイケメンと手を繋いでたから……」



 あたしの猛否定に驚いている佑香。