レモンな初恋





 次の日。


 本当に、あたしはおかしかったようで。




 日曜日だというのに、制服を着て学校に行った。



「あ……」



 校門にまで着いて、やっと気づいた。


 今日は部活もなく、先生もいないから、校門はしまっていた。



「……なにやってんだ、あたし。」




 昨日だって、自然に答えが出てくるとか言っておいて、眠れないほど悩んでたじゃん。


 校門に背中を向けて歩きながら、考える。



 こういう時誰かに相談するものだけど、今回はちょっと……


 佑香とか、友達には連也くんのこととは言えないし……

 親っていうのも、お父さんに相談とか……ナイナイ。



「……お母さん」



 いや、無理だ。



 自分で言ったのに、涙が出てきて足を止めて、しゃがんでしまった。




 ……あたしには、お母さんなんてもういないんだ。



 分かってるんだけど、思い出すのはちょっと切ない。


「懐かしい」