レモンな初恋





 なんで卒業式のことを思い出した?



 ま、いいや。


「まあ、俺が引っ張ったんだし。」


「あっ、そうなんですか」



 なんで、そんなことを……


「隣座りなよ、宮下さん」



 え……


「なな、なんであたしの名前を……!?」


 こんなイケメンと知り合いではないけど……


「あー、そか。知らなかったっけ」



 フッと笑いながら、自分の隣をポンポンと押す、茶髪の君。


 頭を軽く下げて隣に座ると、「なんで頭下げてんの」と笑われてしまった。



「学校、行かないんですか」



「めんどくさいから。ってか、敬語止めて。同い年。」



「そうっすか」


「そうっす」


 へぇー、同い年なんだ。

 ならもっと、知らないなんて信じられない。



 名前、聞こうかな。


 でも、もしあたしが忘れてたら……


 いや、確実に忘れてるから、聞けない。