レモンな初恋





 なのに、自分だってそんな顔して。



「ふふっ」



 なんか、胸が響くようにドキドキした。

 弾むようなこの感じ。



 初めてだけど、なんか心地いい。




「ん?」



 いきなりあたしが笑ったからか、それとも視線に気づいたのか、連也くんはこっちを見てきた。



 あ、やばい。



 あたしはすぐに視線をイルカに注いだ。



「ぷっ、気づいてないとでも?」



「えっ……」



 あたしにだけ聞こえるような声で、そう言われた。


 驚いて、連也くんを見た。



「あ、赤いな」



「んな!?……連也くんこそ」



 そうあたしが言うと、連也くんは目を逸らした。



 あ、なんか……



 そう思った時、連也くんも同じだったのか、あたし達は本当に自然に……





 ……手を繋いでた。