……手を繋ぐだなんて。
ドキドキして、あたしは俯いたまま。
ただ連也くんに手を引かれながら歩いて行った。
「……着いたよ」
「…あ、うん。どこ座ろっか?」
「ここでいいじゃん」
「そう、だねぇ」
席に着いても、あたし達の間には気まずい空気が流れてた。
「さあ、始まりました!コウちゃんのイルカショー!」
そんな元気な声が聞こえても、あたしは俯いたままだった。
緊張と、きっと真っ赤であろう顔を隠すように。
隣で座っている連也くんは、どうなんだろうか。
平気なのかな?
そんなことを考えていると、
「……始まってるけど、イルカショー。見ないの?」


