「じゃあ、行こっか」
あたしは再び歩き出そうとするが、また止められる。
「なに!?ショー始まっちゃう!」
ショーまであと20分しかない。
それとも意地悪!?
……と連也くんを睨むと、連也くんは「はぁ」とため息を吐いた。
「なんも分かってねぇ……迷子になりたいの?」
「嫌です」
それだけは、本当に。
「俺と離れたらまた合流できる確率は?」
「0です」
あたしは、迷子になったら終わりなので。
それは分かってるつもりだ。
「俺も、そう思う」
「酷い」
バカにされてる感がすごいする。
まあ、バカなんだけど。
「はぁ……じゃあなんですぐ行こうとすんの?」


