レモンな初恋





 そして言った一言が、「……遅刻」だったのだ。



「ホント、ごめん」



 普通に喋るあたし達に、女子たちは容赦なし。



「なにあいつー?」


「彼女?」


「にしてはブス」



 こそこそ喋っているが、丸聞こえ。


 聞かせたいのか、そうじゃないのか。



 ただ、すごくムカつく。




「……ったく。性格ブスの方が嫌いだわ」



 あたしと一緒で聞こえていた連也くんは、あたしをかばってくれたのか、〝性格ブス〟を強調して言った。



 女子たちは、一気にしゅんとした。




「…あの、連也くん」



「行くぞ」




 なんだ、結構優しいんだ。


 ちょっと胸を躍らせた。