レモンな初恋





「……遅刻」



「ご、ごめんなさい」




 駅前に着くと、もうそこは夢の国化していた。





『きゃー!』


『あのぉ……一人ですかぁ?』


『メアド、交換しましょ?』




 時間はpm1時15分。



 あたしはすぐに連也くんを見つけた。


 けれど、そこはもう女子たちの群れで遠いところになっていたのだ。


『れ、ん、や、く、ん!』


 ぴょんぴょん跳び回っても、女子のせいで近づけない。


 とても大きい「キャー」の声で、連也くんに届かない声。



 気づいてもらえないと思っていた。



 けれど、連也くんと目が合ったと思ったら。



『どけ、邪魔だ』


 連也くんそんな言葉を発した後、あたしの方へと歩いてきた。


 女子たちは、きゃーとか言いながら道を空けた。


 するとその道を通って、連也くんがあたしの前に来た。