ごめん、連也くんの電話番号、佑香に知られちゃったよ。
心の中で、連也くんに謝った。
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今日の学校が終わって、家の自分の部屋でくつろぐ。
ココアを机に置いて、ベッドの上で漫画片手にごろごろしていた。
「あっ」
あたしは、読んでいる漫画をベッドに、開けているページを下にする形で置いた。
そして、右手の甲を見る。
うっすら消えかけているその数字を、携帯に慎重に打っていった。
もし、間違えちゃったらどうしよう。
まあ、連也くんの字はきれいだから、読めないことはないんだけど。
打ち終わってから、あたしはもう一度右手の甲の数字と携帯に打った数字を見合った。
「090……」
声に出しても、同じだった。
「よし、掛けてみよう。」
携帯の発信ボタンを押した。


