あたしは、左手を右手でがっちり握った。
「あれ?それ、なに?」
佑香が、あたしの右手を指さして聞いてきた。
「えっ?」
右手を見ると、ばっちりと連也くんの電話番号が見えていた。
連也くんとは書かれていないけれど、どう見ても電話番号だと分かる。
しかも、あたしはさっき、連也くんと一緒にいた。
どう考えても……
「地味男の?」
佑香が聞いてきた。
……ばれた。
「……」
あたしは黙った。
けど、それじゃあもっと、肯定しているみたいになってるじゃん。
佑香も、確信したようで。
「ふーん、あっやっしーぃ!」
そう言いながら、にやけていた。


