「……えっと、坂野くん」
「連也でいい」
「……ほんと?」
「うん、ほんと」
坂野くんがそう言うから、舞い上がってしまった。
また、特別かもなんて。
「連也くん」
「なに?」
ちょっと慣れないけど、ちょっとくすぐったいけど。
「あたしの口パクも当てて」
「うん」
「では、一文字目」
そう言って気持ちを伝えた。
「さて、なんて言ったでしょーか!」
そう言うと、坂野くんは頬を少し赤らめた。
「あ、たしにとって、れん、やは、とく、べつな、お、とこのこ」
「……ふふ、正解」
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