だって、話しかけられるのが嫌じゃないとか、キスとか。
あと、その顔。
気づいてる?
……真っ赤なんだけど。
あたしはバカだから、それしか考えられなかった。
「あの……」
坂野くんに話しかけると、坂野くんはカツラもメガネも地面に投げつけた。
そして、あたしの方に顔を上げた。
「……だから、これからは」
「は、はい」
「〝素〟の俺の時に話しかけろ」
……?
「えー!なんで」
いや、十分嬉しいよ。
坂野くんがあたしのことを好きかどうかは置いといて。
だって、仲良くしていいって言われてるみたいだし。
けどね、なんでそのイケメンの時限定なわけ?
「いや、当たり前だし」


