レモンな初恋





 連也くんはあたしを自分の部屋に入れた。



「……で、なに?なんか用?」


「あの、ね……」




 冷たい言い方が怖くて、悲しくて。


 俯いてしまったら、連也くんが


「ごめん、言い過ぎた。大丈夫だから話して?」


 と言いながら頭を撫でてくれたので、あたしは話し出す。




「その……昨日はごめん。なんていうか、き、緊張しちゃって……」


「……うん」


「あたし、そういうの初めてなんだ。だから……」


「うん、分かってる」




 あたしは、佑香が言っていた〝アレ〟。


 つまり〝料理〟でチョコケーキを作ってきた。


 いつか、チョコが好きだと聞いたから。



 それを連也くんに出した。


「あ、たしの気持ちです……受け取って」


「え?」



 連也くんはあたしから受け取ったケーキを見た。



「これ……」