たくさん、たくさん知って。
泣いて、笑って。
思い出が積み重なっていったんだ。
あたしは笑った。
……そこに。
「お待たせ、架樹」
連也くんが飲み物を持って入ってきた。
「あ、オレンジジュース!」
いつかのように、レモンティーとオレンジジュースがおぼんに乗っていた。
「ははっ、好きかなーって」
「うん!大好き」
連也くんからオレンジジュースをもらうと、一口飲んだ。
「ねぇ、連也くん。」
「なに、架樹」
「お母さんの写真、飾ってるんだね」
「え?……あー、うん。時々会ってる。姉貴も、親父も」
少しずつ、家族になっていってるんだ。
すごく嬉しかった。


