「お邪魔しまーす」
玄関に入ると、懐かしい光景があった。
今日は連也くんのお父さんはいないけど。
っていうか、連也くん家あの逃げ出した時以来なんだよね。
「俺の部屋、分かる?」
靴を脱いでいると、連也くんに話しかけられた。
「あ、うん。二階だよね?」
「そう、二階の右の部屋。ちょっと先行ってて。飲み物入れてくる」
「りょーかい」
あたしは階段を上がった。
連也くんの部屋に入ると、この前と全く変わっていなかった。
「ま、当たり前か」
そう思ってベッドに座ろうとした時、あたしは見てしまった。
「あ……」
この前来た時は伏せてあった写真。
今日はきちんと飾ってあった。
……そうか。
変わってないみたいで変わってるんだ。
あたしも、連也くんも。


