「……ってか、さっきはごめんな。親がいない気持ちが分からないとか言って」
ずっと架樹に謝りたかったことを言うと、架樹は少しだけ悲しそうに微笑んで、
「ううん、いいよ。あたしもちょっと酷かったもんね」
「全然」
「あたしのお母さんね……病気だったんだー。ほら、あたしって素直？じゃん」
「うん」
架樹は笑って話し始めた。
「それは、お母さんに言われたからなんだ。だからね、お母さんがいない気持ちはよく分かる。」
「……ありがとな、架樹」
俺はそう言って架樹の頭を撫でた。
少し頬を赤らめて笑う架樹がとてつもなく可愛かった。
