「……うん、知ってる」
「でも、今思えば後悔してる。弱かったなって思ってる」
「……うん」
「……お母さんね、浮気してたの」
「……それも、知ってた」
「え?」
俺が女嫌いになったのも、それが原因だったから。
「……そう、連也にはお見通しか」
母さんは悲しそうに笑った。
「その人とは、すぐに別れたわ。連也、私はもう元に戻ろうとは思わない。ううん、戻れないと思ってる。」
母さんはまた海を見つめた。
俺も海を見た。
夏だから、海はきれいに見えた。
ザパーンッなんて音が、少し心を和らげた。
「だから……たまに会えたらなんて思うけど、それも連也に任せるわ。ただ、いつでも会いたくなったら会いに来て」
「……うん、どうせ3駅先なだけだしな。」
「ふふっ、そうね。……連也、幸せになりなさいよ」
母さんはまた俺を見て言った。
深い言葉で、想ってもらってたことを知った。


